🗓 2021年09月22日

中国の不動産大手恒大集団が世界経済を危機に陥らせるのではと疑心暗鬼になり、先週末欧米株価は急落した。恒大集団負債が33兆円ほどあり、破産すれば中国発リーマンショックともなりかねない。今月末より順次借入返済の期日が到来する。

対岸の火事のように映るが我々の年金を運用している年金積立金管理運用独立法人(GPIF)が社債を59億円株式を37億円保有している。明言すれば日本国民の将来の年金原資が欠損するという意味で我関せずの問題ではなくなっている。

統制色の強い中国経済の動向には目が離せない。習近平指導部のさじ加減でいかようにもなるということだ。一部の富裕層を敵視する一般国民がいて、アリババなどIT企業など金持ちに対し厳しい態度を取り続けていたので、単純に救いの為に手を貸せば不公平と国民には受け取られる。実際不動産が高騰し、地方から働きに来た場合、住居の問題は深刻になっている。貧富の差が拡大しているのである。負債総額は中国の名目国内総生産(GDP)の7%にも上り、不動産業界のみならず経済全体に与える影響は予測不能である。

経済を守る為に一民間企業を救済するのか、それとも中間層の育成に比重をかけ国民受けのする結論を優先させるのか来年に控える習近平が長期政権にするための政治イベントを控え、難しいかじ取りを中国指導部は余儀なくされている。中国共産党青年部なども絡んでいて権力闘争も無視できない。

対岸の火事に納まらないことは肝に銘じておくべきだ。

(文責:岩澤信千代)