🗓 2021年02月05日

地方から上京した単身学生にとって、食事は最大の関心事である。学生時代通った「高田牧舎」「エース」「おふくろ」など食堂の名前を今でも憶えている。「長寿庵」という蕎麦屋もあったが数年前その歴史を閉じたニュースを見て感慨深いものを感じた。
 昨年初め、昵懇じっこんにしているK氏から連絡があった。「娘が岩澤さんと同じ早稲田の法学部に合格した。これでどちらも応援できるようになりました。」とのことである。2020年の1月に行われた大学ラグビー日本一決勝戦は早稲田VS明治であった。K氏は明治大学出身であり、明治は早稲田に敗れ苦い思いをしていたのであった。特にその日は会津の明治大学同窓会があり、みんなで悔しい思いをしたとの事であった。娘が早稲田に入ったのでこれからはどちらが勝っても負けても悔しい思いをしなくて済むということである。
 K氏はその体型から想像できないが明治大学卒業後、米国大学の博士号を取得している。おそらく英語はペラペラなのであろう。
 昨年の5月頃、娘は合格はしたもののコロナで入学式も行われず、オンライン授業で大学にも行ってないでまだ会津にいると聞いていたので、昨年末どうしてると聞いたところ、東京に行き、下宿して音楽関係のサークルに入って大学生活を送っているとの事であった。K氏の奥さんの先祖は日本で初めて衆議院議員選挙が行われた時の会津地方選出第一号である。その時会津藩元家老山川浩も立候補したが落選している。元家老を破って当選した歴史上の人物である。当時の選挙のことが書いてある文章のコピーをK氏に渡した。
 さて、「プランタン」に戻るが大隈講堂近くにある喫茶店の名前である。フランス語で「春」という意味だそうである。先ほど書いたが学生はコロナの為オンライン授業が多くなり大学には来ない。通常ならば浅草仲見世通りの様にごった返す道路なのだがコロナ禍以降人通りが全くなくなり店舗閉鎖を考えるほどになった。それを聞いた常連の学生がネットで店存続の為に寄付を募った。テレビに出ていた発起人の政経学部学生は「卒業してまた母校を訪れた時のよすがとして是非あるべきところに存続して欲しい」との事であった。
 500万円の目標に対し、一週間で450万円集まったという。
 「集まり参じて人は変われど、仰ぐは同じき理想のひかり」という校歌の一節が浮かんできた。
 私もこれから寄付の方法を調べてなにがしかの協力をするつもりだ。

(文責:岩澤信千代)