🗓 2021年03月16日

クラウドファンディングが締め切られ1081人の支援者から7534000円が寄せられた。「集まり参じて人は変われど、仰ぐは同じき理想の光」。早稲田への思い入れのあるOB・OGを含め子供が在学中・あるいは卒業生だからと支援する人も多かった。ひたむきに学生たちに接してきたマスター前田さん夫婦の人柄ゆえだろう。同好会のたまり場になっていて、そこへ行けば誰かと会えるとか、孤独で話し相手がいないときに一人コーヒーをすするとか、青春時代の喫茶店は心の故郷になっていた。私の学生時代、五木寛之の「青春の門」に出てくるクラシック喫茶「ランブル」も早稲田通りにあった。そこで田舎出の私が都会の名門女子高出身である女子同級生が黒板に書いたバッハの「G(ゲー)線上のリア」が理解できず、「ジー線上のリア」と読んで赤恥をかいたこともある。

窓辺のタバコの火でカーテンを焦がした罪は時効になっているだろうか。彼女の父は敵国薩摩の出身であった。その後彼女は大阪人と結婚して、今は孫の成長を楽しみにしているおばあちゃんになっている。その「ランブル」は今はない。私が学生の頃は「神田川」とか「学生街の喫茶店」とかの歌が流行っていた。青春時代の一コマに喫茶店が重要な位置を占めていた時代があった。

今後とも「プランタン」が「心のふるさと」であり続けることを切に祈っている。

(文責:岩澤信千代)