🗓 2021年08月12日
米軍のアフガン撤退期限が今月末と秒読みに入ってきた。テレビを見るとタリバンがいくつもの州都を制圧し赤色の支配地域が国土の半分に迫っている。アメリカからすると武器も供与し政府軍の軍事訓練も十分にしたのだから、政府軍頑張って下さいよ。ということだろう。実際タリバンの兵力は6万人で政府軍は30万人と1対5の兵力差がある。尚且つ2002年以降880億ドル(10兆円弱)の資金を米軍はアフガン治安部隊に支援し武器もふんだんに供与した。
それにもかかわらず、何故政府軍はここまで敗北するのだろうか。それはひとえに治安部隊のモラールの低さだという。「天皇陛下万歳」と言って敵に突入していった旧日本軍とは比べ物ならないらしい。それに対しタリバンの主力はイスラム神学生の集団が中核をなしており、異教徒から国土を守ることを目指しており、戦闘意欲に大差があるらしい。治安部隊は戦わずしてすぐに降伏してしまうらしい。首都カブールには戦闘地域から逃れてきた避難民の様子が痛々しく映し出される。
そんなこともあり、各国も両陣営の妥協点を見出すべく、英国、EU,国連、中国などがカタールに集まり協議を重ねているという。特に中国は国内にウイグル自治区を抱え、タリバンとウイグル自治区の反政府グループのイスラム教徒が連携すれば、習近平にとっても対岸の火事ではなくなるので、ナーバスにならざるを得ないという。
米国バイデン大統領は「方針を撤回しない。」と言っているので米軍の撤退は間違いなく実行されるであろう。ミャンマーといい被害者は弱き国民である。戦い終われば勝者と敗者が共に讃えあうオリンピックの平和精神が世界で実効性を持つのは果たしていつになるのであろうか。
(文責:岩澤信千代)