🗓 2022年01月03日

青山学院が記録づくめで総合優勝した。

子供の頃は、正月の箱根駅伝に全く興味がなかった。アナウンサーの絶叫の意味をほとんど理解していなかった。ところがいつのまにか正月2日の大學ラグビー準決勝と箱根駅伝観戦は正月の行動の規範となった。

今年の出場チームの監督に福島県出身の監督が4人いる。駒澤大学大八木弘明監督(会津工業高校卒)、東洋大学酒井俊幸監督(学法石川高校卒)、早稲田大学相楽豊監督(安積高校卒)国士舘大学添田正美監督(岩瀬農高卒)である。東北大震災から復興道半ばの本県出身者の監督の活躍と学生の力走がテレビで映されることは大変勇気づけられる。

箱根駅伝を見るたびに思い出されるのは、2011年第87回大会、5区の箱根の山のカーブで足を滑らせすってんころりと転びながらも、何事もなかったように区間を完走した猪俣英希君である。(訂正:凍結で足を滑らしたのは6区の高野選手でした)山の神、東洋大柏原竜二選手とデッドヒートをしたのもので箱根駅伝の中でも記憶に残る選手である。猪俣選手が頑張ったので往路優勝の東洋大と往路27秒差で納まり、これが復路の大逆転につながった。2分だと逆転不可能と言われた。その年早稲田は大迫傑(1区:長野長聖高卒)もいて総合優勝したが、猪俣君は最大の功労者であったといえよう。その年、早稲田は出雲・全日本大学駅伝の大学3大駅伝を制覇した。

猪俣英希選手は、スポーツ推薦枠ではなく県立会津高校から早稲田に一般入試で入学し、マラソン強豪高校出身者が多いメンバーの中にあって4年生で最初で最後の駅伝で出場を勝ち取った。9区を走る予定だったが、二人が故障しメンバー交代で過酷な山登りがある5区に抜擢された。

拙書「不一・・・新島八重の遺したもの」をご尊父浩一様より注文を頂いて会津美里町のご実家にお届けしたことがある。そんなことで高校時代の友人の娘が就職活動で商社希望との事で、父上の浩一様から英希さんの携帯番号を教えて頂き、三菱商事の社員になられていた英希さんと電話で連絡を取ったことがある。親切にも英希さんは貴重な時間を取って下さり、友人の娘さん(優勝した青学卒)に就職活動のアドバイスをして下さり、昼食までご馳走してくれた。

2019年3月にNHK『おはよう日本』のキャスター・和久田麻由子アナと結婚して世間を驚かした。猪俣英希さんとは電話でしか接点がなくお会いしたことがないが、もしお会いすることがあれば是非ともお礼を言いたいと思っている。父上の浩一様の今年の年賀状を拝見して箱根の山登りの映像がよみがえった。(動画はUチューブで見れます)

ネットサーフィンをしていたら猪俣英希君に対する次の言葉に巡り合った。

「物事を途中で決して投げださないひたむきな努力家であり、逆境に屈しないメンタルを持っています。」

英希さんは、まさに覚馬・八重兄妹にも通じる「会津魂」を具現している人物であることは間違いない。ちなみに三菱商事の前社長小林健さんも会津美里町ゆかりの方です。寅さんの「男はつらいよ」の撮影があった時に食事をした会津高田駅前の「小林食堂」のご親戚です。

追加 : 優勝候補の駒澤大学にアクシデントがあり、一騎打ちかと思われた青山学院に優勝をさらわれた。本当に箱根駅伝は何が起こるかわからない。また、今年のトップスリーの争いは凄かった。21年ぶりの3位を目指す中央大と王者駒澤大のデッドヒートは意地と意地との戦いで、抜きつ抜かれつの大勝負は見どころ十分であった。大会新記録。進化する緑。パワフル大作戦。青学おめでとう。感動を国民にもたらす全てのアスリートにエールを送りたい。

 

(文責:岩澤信千代)