🗓 2020年02月27日
山田副会長の慈眼寺の写真の中に河合継之助(号、蒼龍窟)の書があり、樋口朝亭副会長に意訳して頂きました。
原文
視遠者不顧近、慮大者不計細、若衿小勝恤小敗、先自撓矣、何暇立功乎。
元治甲子季夏 蒼龍窟生
読み
遠きを視る者は近きを顧みず、大(だい)を慮(おもんぱか)る者は細(こまかき)を計(はから)ず、小勝を衿(ほこ)り小敗に恤(うれえ)るが若(ごとき)は、先ず自ら撓(くじけ)り、何ぞ功を立つるに暇(いとま)あらんや。 元治甲子季夏 蒼龍窟生
訳
遠くを見るものは近くを顧みない、また大きなことを思うものは細やかなことを計らない、小さな勝に誇ったり、小さな敗けにがっかりしているようでは、先ず自分でくじいたということだ。どうして功を立てるに暇あらんや。(功を立てることなどできない。)
補
元治甲子季夏は1864年にあたり河井継之助37歳の夏にあたる。此の文は資治通鑑にあり、若いときに読んで感銘を受けたものと思われる。書は王羲之風で余白を考慮した書で立派な書と言えよう。