🗓 2021年02月12日
新島八重顕彰会の設立に動き出した頃ある顕彰会長を5つ兼任している先輩が「会津には顕彰会が18あり、会員数が減少して困っている。これから新しいのを作ってどうするのだ。」電話で長話を聞きながら頭の中で考えていた。「この会長は所属する顕彰会の中でどう頭を使い、企画立案・行動しているのだろう?顕彰祭で祭文を読み上げただけで大役を果たしていると思っているのではないか。」
であるならば、存在感のある顕彰会を作り、運営すればよいのではないか。
顕彰会設立で見本にしたのは「京都會津会」である。110年以上に亘り、会津藩が京都守護職時代に活躍した藩士の慰霊を祭っている。現在の幹事長は高校同級の小西雅彦君である。京都會津会110年の時は会津若松を訪れ、商工会議所や市長のあいさつ回りをしていた。すべからく、組織運営の重要なことは「このアヒルの水かき」である。アヒルの水かきと企画力がなければ新組織の立ち上げなどできない。膨大な時間費消と労力がないと不可能なのである。前述のたくさんの会長を受け持っている方が「顕彰会を作るのだったらお前が会長になればいいのではないか。」と何回も言われた。
あくまでも京都會津会を見てきた私にとっては、運営の要である幹事長でなければこの力仕事はできないなと認識した。組織立ち上げの時はチームワークを言っている場合ではない、企画力と強いリーダーシップが必要である。八重のことも勉強せずなんの実績もない会長がチームワークを唱えても何にもならない。組織運営の形が出来上がったら議論しながら運営していけばよい。しかし、創業は違う。
まず、第一に強力な後ろ盾を櫻井よしこ先生、奥野善彦先生、吉海先生に名誉顧問という肩書でお願いした。会津の他の顕彰会になく八重顕彰会にあるのはこの名誉顧問である立派な方々の支援である。
奥野善彦先生には第1回顕彰祭に1泊2日でご夫婦で参加していただき、貴重な講話をしていただいた。また吉海先生には顕彰会の設立を思い立った時から相談させていただいている。頻繁にアドバイスを頂いている。先生のご子息は一流国立大学を卒業され会津で高校の先生をしているので「会津」が人質に取っているようなものだ。加えて初孫も会津にいる。ホームページを作るとか同志社校友会とのつながりは吉海先生のアドバイスの結果である。顕彰祭の記念式は山下勝弘同志社支部長に執り行っていただいた。
今年の5月8日、名誉顧問櫻井よしこ先生に講演会を引き受けて頂いた。先生のスケジュールはびっしりで1年先まで埋まっている。昨年の顕彰祭が終了してすぐに講演をお願いした。講演会を引き受けてくださる条件は「大龍寺に連れて行ってください。」だった。8年前名著「日本人の魂と新島八重」の取材に訪れた時に私は会津を案内した。その中に大龍寺の山本家墓所も入っていた。久しぶりに住職夫人の宮子さんに会いたいと思ったのだろうか。その時に出された宮子さん手作りのお菓子が気に入っておられた。今回も宮子さんにはそのお菓子の用意をお願いしている。
講演会開催の意義は、日本の有名な知識人であるビッグネームをお招きしそのお話を聞くことが会津の文化向上に資するものと考えている。その為講演会は無料である。現在、市内に貼られたポスターを見ての申し込みなどで200名以上の申し込みがある。懇親会の出席希望も130名程ある。
現在の会員数は法人会員を含め170名で200名に迫る。顕彰会活動を通じて八重さんの「奉仕」の精神に一歩でも近づけることを念願とする。
(文責:岩澤信千代)