🗓 2021年12月16日
15日元近畿財務局職員の妻赤城雅子さんが国、佐川宣寿元理財局長を相手にした民事訴訟1億1200万の結論が出た。今まで争っていた国が「国家賠償法上の責任を認めるのが相当」と説明、罪を全面的に認め賠償金1億700万を支払うという。原告側である赤城未亡人からすると賠償金が目的の訴訟ではなく、何故自分の夫が自死を選ばざるを得なかったか、証人喚問などを通じて真相究明することが目的だったのが国の突然の「認諾」により、悔いが残る結末となった。
この手続きで国を相手とする訴訟は終結し、佐川宣寿元国税庁長官個人に対する500万の訴訟が残ることになる。もとはといえば安倍晋三の国会答弁に源流がある。その発言を忖度し、佐川元局長が違法行為を指示し、その実行役が公文書改ざんに加担し、良心の呵責に耐え兼ね自死したというのが真相である。
火元は、自民党最大派閥の長になり、隠然と政界に存在を示している一方、官庁の下部職員が犠牲になるという不合理を許していいのか。確かに財務省職員が裁判に多数出席を求められることは業務を滞らせるので、国益に反するということは一部理由になる。しかし公文書改ざんについては徹底的に解明しなければ再発防止にはならないだろう。すでに国交省では、統計数字の扱いに不合理が生じている。GDPの数値に関わることだという。防衛予算はGDPの何%とか国家の予算に深く関係している。官僚機構に異変が起きてる。今回は証人喚問などの真相解明は闇の中で正確な司法判断による結論を導き出せなくなった。
今後、佐川宣寿元国税庁長官個人に対する訴訟でどれだけ不合理があぶりだせるか期待するしか方法はない。「雅子夫人が、気持ちよく夫の墓前に報告できる」日は来るのだろうか。
(文責:岩澤信千代)