🗓 2025年05月11日

 近所の知人が本のコピーを持ってきたので読んだ。「風、薫る」は2026年前期のNHK朝ドラのタイトルだそうだ。大関和(ちか)の物語である。日本初の職業看護婦(トレインドナース)を切り開いた人らしい。コピーを読んだら会津藩士と深くかかわっていた。会津藩出身の山川捨松や熊本藩出身の矢島梶子などが登場してくる。矢島梶子はキリスト教婦人矯風会の会長であり、若松に最初の幼稚園を設立した海老名リンは副会長であった。大関和は黒羽藩の出身である。戊辰戦争の時は黒羽藩(栃木県)は西軍として会津を攻めた。

 頂いたコピーがすべてでないので会津図書館蔵書検索したが表題の本はなかった。早く続きを読みたかったので、Oさんから借りて読んだ。YMCAの初代会長小崎弘道は出てくるし、日本初めての女医荻野吟子とも大関和は接点があった。矢島梶子や新島八重と同時代を生きた人々の名前が盛りだくさん。キリスト教人脈・同志社人脈と深く関わっていた。

 大山捨松の縁で鹿鳴館に勤めていたが、キリスト教の洗礼を受け看護婦へと進路を変えた。明治の初期を懸命に生きた女性の生涯は多くの感動を与えるだろう。ちなみに2025年後期朝ドラは小泉八雲(ラフカデイオ・ハーン)と妻セツの物語だそうだ。小泉八雲は旧制熊本五校の同僚教師である旧会津藩士秋月悌次郎を「神のような人」と尊敬したが、ドラマは五校の教師になる前までであり、残念ながら秋月悌次郎は出てきそうもない。

大関和は新島八重とキリスト教・看護婦・婦人矯風会など多くの共通点もあり、同じ時代を生きた先駆的女性である。

(文責:岩澤信千代)