🗓 2021年09月01日
政局がにわかに面白くなってきた。自民党総裁選に立候補する岸田文雄氏の目玉商品である、自民党役員任期最長3年に対し、菅首相は5年以上幹事長を務めた二階氏交代、少しの内閣改造を行うという。論点を消そうと躍起だ。二階幹事長の長期留任には若手議員の不満が蓄積されていた。二階氏は自派閥の議員を増やすためにあちこちの選挙区で軋轢を起こしてきた。やみくもに数の力に頼ろうとする姿は田中角栄の政治手法にも似ている。岸田氏が役員任期を打ち出してきたのは、二階幹事長の交代を暗に匂わせている。他派閥の若手議員を取り込む戦略である。数では勝る安倍晋三の細田派や麻生派の支持を受けるためには、両派と緊張関係にある二階氏の交代を打ち出すことが一つの戦略である。
また交代させられた二階幹事長がどういう行動をとるか。今後も菅支持で行くのか。菅首相の判断に対し、権力に味を占めた二階氏が無役になれば一弱小派閥の領袖になるだけだからである。自分を首にした首相に今後も忠誠を誓うのか。自分の身を守る為に虎を野に放すリスクをガースーは選んだ。
下村博文氏も立候補を模索したが、所属する清話会の支持を取り付けることができなかった。日経新聞の「誰が総理にふさわしいか」の世論調査でも四捨五入すれば限りなくゼロに近かかった。すなわち国民の多くが下村氏が首相になる想定をしていないということである。下村氏が早々と白旗を上げ総裁選から撤退したのは賢明である。
さて地方の自民党員と国会議員が参加するフルスペックの自民党総裁選になるかどうかはコロナの状況により不明であるが、国民のリーダーとしてふさわしい人が選出されることを期待したい。
(文責:岩澤信千代)