🗓 2024年03月16日

 岸田文雄首相は15日の参院予算委員会で、自民党派閥の裏金事件について、清和政策研究会(安倍派)で会長を務めた森喜朗元首相も含めた関係者への聴取を検討する考えを示した。「来週の政治倫理審査会の弁明も踏まえた上で、党として関係者のさらなる聴取を行うかを判断する。関係者に森氏も含まれる」と述べた。共産党の小池晃書記局長への答弁。

 衆院政倫審は18日、同派幹部だった下村博文元政調会長に対する審査を実施する。パーティー収入のキックバック(還流)への森氏の関与の有無を下村氏がどう説明するかが焦点の一つとなる。(時事通信)

 どういうことか。つまり18日の衆院予算委員会の政倫審で下村博文の証言を聞いて、野党国民の反応を踏まえて判断するということだ。「森元総理も含まれる」と答えて席に戻ったときに岸首相はにやりとした。「我が意を得たり」という顔だ。よくぞ質問してくれた。これで森元総理の息の根を止められるとでも思ったのか。これで18日の下村発言が俄然注目されることになった。元親分をかばうのか、それとも安倍派幹部から弾き飛ばされた恨みを吐露するか。二つに一つだ。森元総理は高級老人ホームに逃げ込んで逃げ切れると思っていただろうが国会に呼ばれれば老醜を国民の前に晒しださねばならない。

 岸田首相の不敵な笑いはそれを物語っているのではないか。報道によると17日自民党大会が開かれるが議員は相当しらけ切っているという。心境は「まな板の上の鯉」状態なのだろう。かたや若者の口移しチップ、かたや「老兵は去り行けない」政界のドン。佳境になってきた。

(文責:岩澤信千代)