🗓 2021年08月17日

アフガニスタンがタリバンの政権になることが、決定的になった。かくも30万人の兵力を持つ政府軍が弱いとは誰が想像しただろうか。米国中枢も米軍撤退後でも最低6か月は現政権が持ちこたえるだろうと予測していたという。何故かくも治安軍が弱いか明らかになってきた。最大の原因は給料の未払いである。給料も払ってくれない政府に誰が命を懸けて、忠誠を尽くすのか。現地司令官を含め治安軍がはやばやと逃走したのがよくわかる。

バイデンは「アフガン撤退はトランプ前大統領の時に決定したもので、私はそれを実行しただけだ。」と防戦に躍起になっている。中間選挙での米国国民の審判はどう出るか。今の分断された米国世論を見ているとトランプの復活もあり得るのではと思える。高齢のバイデンが再選に立候補する可能性は低い。後継者になるべきハリス副大統領の不人気ぶりはいかんともしがたい。

中国の王毅外相とタリバン代表が天津で会談したが、タリバンは新彊ウイグルのイスラム勢力とは一線を画すと言ったそうだ。それを条件に中国と76kmの国境線を持つアフガニスタンに中国は経済的支援を約束したようだ。

基本的には独立した国家が自分の責任で国家運営するのが基本である。外国の軍隊が駐留してあれこれ言うのは間違っている。前タリバン政権の時には、8歳以上の女子には教育を受けさせないとか職業につけさせないとか厳格なイスラム教統治を行った。それを見ているから、カナダなどはアフガン女性2万人の移民受け入れを表明した。

いずれにしても、タリンバン政権が国際的に受け入れられるよう自助努力をするのはもちろん日本を含め国際社会は話し合いでより良き関係を築いていくのが肝要であろう。

 

(文責:岩澤信千代)