🗓 2022年01月30日

お正月に神棚に餅をあげる習慣は昔からある。そして神棚からおろした餅を水に浸して水分を含ませそれを雑煮やお汁粉にして食べる。鏡開き以降の楽しみである。

例年通り、我が家でも50個くらいの餅を水に浸しておいた。一回だけ雑煮と汁粉を食べた。

ある日女房が大騒ぎしている。楽しみにしていたボールの中の餅がなくなっていたのである。周りを見渡すと近くに置いていた鼠捕り用のシートに餅が二つくっついていた。鼠の姿はない。

我が家はもともと茅葺屋根の築200年以上の農家の家である。木造ゆえに鼠の穴は簡単にできるのであろう。それから女房と鼠の知恵比べが始まった。「鼠には負けていられない。」と女房の闘争心に火が付いた。

何をするかと見ていたら、女房はホームセンターでレンガを買ってきた。8枚のレンガを鼠が通りそうな場所においてシャットアウトする作戦である。

ところが、その晩にも台所の方で大きな音がする。私はこたつの中で本を読みそのまま眠くなるのを待ってテレビをつけたまま寝るのが冬の習慣なのだが、夜中の3時に大きな音で起こされた。台所に行ったが鼠の姿は見えない。そのまま、台所の電気をつけたまま寝た。

朝起きて、女房がまたもや大騒ぎをしている。餅を入れていたもう一つのボールのサランラップの蓋をしていたほうも穴が開いていたと。汁粉を楽しみしていたのだが、伝染病が怖いので20個くらいすべて捨てた。

解ったことは女房が自信をもって作戦を立てた「レンガ作戦」が効力を発揮しないことであった。「あなたは何もしない。」と口癖のように攻めるので、昨日はホームセンターに行き鉄板と殺鼠剤を買ってきた。そして殺鼠剤を数か所に置いた。鉄板は鼠の通る穴の所在が分からないのでそのまま様子を見ることにした。冬期間は畑の作物が食えないので家の中に入り食べ物を獲得行動する鼠が、神棚の上を走り回り餅を持っていくのが当たり前の子供時代を過ごした私は何とも思わないのだが、短大時代、栄養士の実習で賞味期限を過ぎたウインナーを食べて食中毒にかかり七転八倒して入院したことがある女房はことのほか衛生については神経質だ。

父親の入院中、母が病院に泊りがけで看病に行き、80歳の祖母が一人で住んでいた時期がある。その時帰省した私が、わが物顔で神棚をグランドにした「ネズミの運動会」に遭遇したことなども思い出した。

そう言えば、鼠の獲れないモモという猫がいた時だけは静かだった。モモは人知れず活躍していたのだろうか?鼠の音のする方へ飛んで行ったモモの姿は覚えている。モモは鼠はとらなかったが雀を捕るのは見たことがある。5m以上離れた場所から雀を捕りに行った敏捷性には驚かされた。モグラを獲ってきたこともあり、小さな蛇を獲ってきたことがある。猫の習性として飼い主に戦果をほめてもらおうとする。朝起きたら仏壇の前で蛇がとぐろを巻いていて驚いたこともあり、二度目の蛇は近所のKさんに排除してもらった。蛇の子供とかモモが獲ってくるのは小さいものばかりで、鼠は一匹もいなかった。本当に鼠を獲らない猫だった。

「殺鼠剤作戦」の結果はまた機会があればお伝えします。