🗓 2022年09月27日
皆さん、安倍元首相の国葬を見ましたか?英国に見られたのはエリザベス女王がウインザー城迄到着するまでの最後の別れをしようという沿道に集まった国民の敬慕の姿でした。これが安倍晋三の国葬ではほとんど3時間以上献花の時間でした。映像に映し出されたのは式場に並ぶ献花する人の列と式場外に設けられた献花台への列です。尚且つ、デモの映像を見ると「喧嘩式」(けんかしき)ともいえた。すなわち、日本の国葬は「献花すること」とであると見まがうばかりだった。
菅前首相の弔辞がなければ、なんの印象もない葬式になるところだった。前首相の弔辞全文がネットで拡散したのを見ると私だけの印象ではなかったようだ。それに弔辞読了後、 会場内に盛大な拍手が起こった。「日本人の心」に共鳴し、式場内の人も感動したのだ。テレビのコメンテータ―が弔辞の文章を作ったのは電通の社員だろうなどとうがった発言をした。キャスターがその発言に賛同しなかったのでかろうじてテレビ局の面目は保たれた。
菅前首相は総理退任後、グループ結成をほのめかしたが中断している。彼が派閥結成に動けば後継者選びが混沌としている安倍派を瓦解させ、新しく派閥を作れる。彼に政治資金の集金力があればの話ではあるが。それにしても、当初、弔辞を読む役目でノミネートされた武田信玄24将の後裔ダーテイ―甘利氏ではなく、菅前首相に変更した知恵者は誰だったのか気になるところではある。
国葬反対のデモも映し出されたが、7割近くの反対があったことは岸田政権は重く受け止めなければならない。また国民はこういう事案をよく考えて次の選挙に臨まなければならない。のど元過ぎれば何とやらは日本人の国民性でもある。コメンテーターの言うには安倍元首相は賛成派と反対派の摩擦を利用して政策遂行したと言っている。これは言い換えれば反対派を出汁(だし)に使っていたことと同義語でもある。
安倍首相の8年間は日本の為に何をしたか今もって私には理解できない。菅首相の話の中にあったように国防を重点にした法整備はあったかもしれない。しかし有事になったときにうまく機能するかどうか。
官庁間の縄張り争いと行き違いなどで物事がうまく機能しないのが我が国のお家芸である。バスの中に閉じ込められた幼児が熱中症で死亡した事件があったが、原因は段階的なチエックが働かなかったことである。バスを運転した園長の集中力と責任感のなさ、出欠を確認しなかった担当保育士など幾重にわたって過失を見逃している。慌てて政府はマニュアルを全国の保育園・幼稚園に通達しているが、これも所管官庁の不作為が原因だ。知床の遊覧船沈没もしかり。海上保安庁が当該船会社にしかるべき指導・検査を怠っていた。無線が使えなく携帯で連絡をとっていたとは。経営者は本当に無能であったが、それを所管官庁は長い間見逃してしまっていた。
総じて、安倍晋三の国葬式は「献花式」であった。ほとんどの時間が献花の時間であった。そのために各国要人はわざわざ時間を作って日本に来たのか?全国各地の各首長は花を手向けるために交通費を使って公務出張したのか?
「桜を見る会」の会社が企画したのだからもとより、期待はしてなかったのだがこれほど予想通りに中身がないとは思わなかった。他の国にはない皇族の献花と自衛隊儀仗がなければ本当にどうしようもない税金の無駄使いだったといえよう。
これにはおまけがあった。26日には国葬の「進行台本」がSNSに拡散していたと。なんとまあ、お粗末なことか。
長野や兵庫県から献花に訪れた人もいた。列の長さは4kmになったという。このことは交通機関や宿泊施設・近所の花屋さんなどそれぞれ一定の経済効果はあったとことは記しておかねばならない。デモに参加した人たちもプラカード代や飲食代でお金を費消しただろう。国葬が景気浮揚の一助になったことは認めなければならない。
追記1:上記テレビコメンテーターの部分は「羽鳥慎一モーニングショー」に出演していた玉川氏の発言であったが、29日放送で玉川氏自身が電通は全然関与していなかったことを表明、発言を撤回し明確に謝罪した。羽鳥キャスターのフォローがなければ大変な勇み足となるところであった。デマゴーグを作り出すマスコミの怖い側面を図らずも露呈された。
追記2;友人代表の弔辞については菅元首相がインターネット番組で昭恵夫人から依頼されたと発言した。
(文責:岩澤信千代)