🗓 2023年12月21日
窓辺太郎の従兄弟 アキオ君が痴漢の容疑で警察に捕まった。その場面を見て昔のことを思い出した。
部下が痴漢容疑で逮捕されたのである。部下は酩酊状態で電車に乗っていて女性の体に触れたのだそうだ。留置されているという。本人に話を聞くと警察に引き渡される前に訴えた女性にタクシー代を要求されたという。私の直感で部下は罠にはまったのではないかと考えた。タクシー代欲しさに酔っぱらった部下からお金を巻き上げようとしたのだろうと。警察だったか検察庁だったか忘れたが、私は電話をし、そのことについてよく調べるように交渉した。被害者を名乗る女性が白状した。
まもなく、部下は無罪放免となり帰ってきた。部下とは他の支店で一緒であり、私と同じ東北出身で酒癖が悪くよく口喧嘩をしていた。気心が知れているし、彼は社内結婚で彼の妻とも一緒に働いていた時期もあった。ただ女性に対しては淡白であり、痴漢行為に及ぶような人物ではないことを知っていた。
それだから毅然として当局に抗議できたのである。不祥事については本店に速やかに報告する社内規則である。報告しようとする直前に無罪放免の知らせがあり、ほっとした。冤罪であっても部下の将来が逮捕されたら絶望的になる。危機一髪の経験は何度もしているが、そのうちの一コマである。
(文責:岩澤信千代)