🗓 2025年06月03日

備蓄米の放出では、初めから米価引き下げは無理だった。放出量の量の少なさと入札を選んだことである。98%JAが入札した。JAは米価を下げる国策に適当な相手ではない。その歴史は農民いじめである。

 進次郎が前任者の大失言で登場したのは国民にとって僥倖といううべきものだ。しかし、5年以内に買い戻さなくてはいけないし、高値で買った備蓄米を買い戻す話まで出てきた。儲けようと思って入札したのだろう。損失が出るのを防ぐというのは本末転倒だろう。自己責任でその損失を受けるのが経済の原理である。何故そんないい加減な企業に損を出さないように斟酌しなければいけないのか?あえて言ううならば随意契約でなく入札を選んだ国策・すなわち農林官僚のミスが原因だからか。

 内閣支持率は進次郎効果で少しだけ上昇した。玉木の国民党は餌米で急落。参院選候補選びで大ポカ。サスペンスドラマを見ていても初動捜査が間違うと犯人探しに手間取っている。消防も早く消せば火事にはならない。

 学生時代のぼやを思い出した。学生時代民家の二階に住んでいた。その家の甥が薩摩出身で敵国ながら気が合った。その人の部屋で話し込んだ後自室に戻った。部屋中白煙で真っ白である。それらしきところへ飛んでいきお椀で水をかけた。タバコの火の不始末である。鎮火した後、布団には大きな焦げ跡が残った。もう少し隣室で話し込んでいたら木造2階建ての家は全焼するところだった。私は人生で数多くの失敗をしているがこの時ほど肝が冷えたことはない。今でも失火責任を問われないで済むことをありがたく思わないではいられない。タバコを吸っていた火元を速やかに特定できたことと火元が水道の蛇口近くだったったのに救われた。思い出すたびに肝が冷えてくる怖い現実だった。燃えていたら無事に大学は卒表できなかったろう。狭い路地を入った住宅密集地で、まともに火事になったら数軒に延焼したろう。そこで私の人生は終わっていた。

 その家ではもう一つ事件があった。居酒屋で知り合った学生らしき人物の件である。同じ大学の文学部の学生証を持っていた。金がないというので1週間居候させたことがある。彼が出て行ったあと、たまたま椎名町の古本屋に行った。そこでに憲法・民法の法律書を見たら書き込みがあったの見て驚いた。なんとそれは紛れもなく私の字である。教科書を盗まれた現実を知った。それから衣装ケースを見たらお気に入りのコートと背広がなくなっている。当然のことながら目白警察署に盗難届に行った。初めて警察で指紋を取られた。犯人はすぐに捕まった。居候させていた件の人物である。目白警察所の留置場に入れられたが、警察官に会うかと聞かれたがとても会う気にはならかった。後日、北海道に住む彼の母親が4万円を近くに住む叔父の家に持ってきた。彼はその後どうなったか知らない。名前も思い出せない。居候している間にアルバイトでお金が入ったと言って居酒屋でご馳走になった。今思えば私の中古本と衣服を売ったお金で私にかっこよくご馳走していたわけだ。情けないのは盗まれて本がなくなっているのに気が付いたのは1か月以上たってからだ。いかに教科書を読んでいなかったか。

 それで私は早稲田大学ホウ学部出身と言っている。教養課程で50人いたクラスの中で5人が弁護士になった。どこで道を間違えたのか。後悔しても70歳で人生の終末は近い。最後になるかもしれないからとK君が音頭を取り10月に大学近くのソバ屋で同級会をやることになっている。弁護士5名の内2名が参加する。1人は弁護士で地方の国立大学法科大学院の教授をやっていたのが故人になり、K君とともに一緒にいる時間が多かった広島県福山市出身のY君も鬼籍に入った。長嶋茂雄も死んだ。残された時間も多くはない。「おいしいものを食べさせてくれてありがとう。」と最後に妻に感謝できるように口と頭はしっかりさせておかねば。

(文責:岩澤信千代)