🗓 2020年12月29日
タバコを買いに行くため愛車に乗った。エンジンをかけたとたん「メリークリスマス!今日は12月24日です。」とETCのアナウンスが流れた。
車に乗る前にテレビで東京駅にある“ばかたれ“の看板について放送していた。広島県人が新型コロナで帰れない同郷人のために設置されたものだ。今は我慢しても新型コロナが終息したら、いつでも帰ってこい。故郷はいつでも皆さんの帰りを待っているよ。困難の今は帰郷をガマンしようということらしい。
私の大学時代の親しい友人の一人に広島県福山市出身のY君がいる。奈良県出身の阪神ファンのK君が包丁でY君を追いかけまわしたことは前に書いた。Y君は郷土広島をこよなく愛すカープの大ファンである。
昔流行ったやくざ映画によく出てくる「おんどりゃあ」は口論になると頻繁に出てくる。不幸な大戦中、広島市には原爆が落とされた。彼の父は当時教師をしていたが、間一髪爆心地から離れたところにいたので被ばくを免れたという。
彼の実家がある神辺町には高祖父をたたえた立派な石碑が立っている。頼山陽とも親しかった大儒学者であり、頼山陽の手紙も残っているという。学生時代彼の実家を訪れ、歓待していただいたことを思い出す。彼の母親は我々のために「白魚の踊り食い」と「和牛ステーキ」と「チヌの塩焼き」を用意してくれた。チヌとは黒鯛と初めて知った。
鞆の浦という瀬戸内海が一望できる場所にある料亭で「おこぜの天ぷらを彼の叔父さんにごちそうになった。今でもオコゼの天ぷらが大好物であるがあの時の味が忘れられない。
彼の高祖父は高名な学者であり、叔父さんたちは全て優秀であり、国立大学出身であり、私学に入った彼の立場は一族では肩身が狭かったらしい。姉と妹は二人とも東大卒のエリートと結婚した。
そのうちの一人の叔父さんに家に呼ばれて夕食をごちそうになった。国立大学の教授になった人であるが当時は一流会社に勤務しており、偶然にも奥さんが郡山市出身であり御茶ノ水大学出身の才媛であり、福島県出身ということでいらぬ気づかいをする必要がなかった。奇遇なことに会津高校出身者が同じ会社にいるという。叔父さんも東大経済学部卒だが東大卒でかなり優秀だという。
会津に帰り担任だったS先生に先輩のMさんのことを聞いた。「彼はいつもテストの前は映画を見に行っていたな。
だけど成績はいつもよかった。」その叔父さんの部下は私の2.3年先輩の方である。
駅地下の看板から広島県人の話にとんだ。
ばかたれ!コロナ!
人類は決して負けないぞ!!