🗓 2021年02月14日

「森前会長を相談役にする。」「オリンピックを無観客にはしない。」あたかも組織委員会会長に就任したような発言を連発した。本人はJリーグ会長の時からのサービス精神が今回も報道陣の前で出てしまったと強弁している。
 私は非常に残念である。実績・人徳からして高年齢というハンデはあったとしても組織委会長としてリーダーシップを発揮できる人物だと思っていたからだ。実現すれば「青年賦」そのものであった。
昨日のオリパラ組織委員会の理事・評議員合同会議で後任の選任選びのプロセスが決まった。巷では橋本五輪相などの名が挙がっているが、コロナ下の多人数で食事会をしたことなど散見され、ちょっと軽量級に見える。
 IOCの取り決めによると組織委員会会長は政治的中立であることが要件であるというので当然大臣を辞任しなければならない。
 国会議員の歳費は月額130万であるが国務大臣は244万である。期末手当(ボーナス)は6月が1.6ヶ月分で391万円、12月が1.75ヶ月分で428万円である。
 大臣をやめると大幅な減収になるのだ。さて橋本大臣はこの減収分と名誉職でもある組織委会長を天秤にかけてどちらを取るか?老骨に鞭うって森前会長が7年間も無報酬で会長職を続けてきた偉さがわかる。
 いずれにしても、3月25日の聖火ランナー出発までは時間がない。今回の騒動で手のひらをかえすようなIOCのスタンスも判明した。「森会長発言は適切でなかった。」という声明は確実に森前会長に引導を渡す役割となった。「火中の栗」を誰が拾うのか混とんとしてきた。自民党の最大派閥清話会(元森派・安倍元首相が属した派閥)に隠然と影響力を持つ森前会長の機嫌を損ねたら、無派閥の菅内閣など吹っ飛んでしまう。「ボランテイアを追加で探す。」と火に油を注いだ二階幹事長も自分をさらけ出してしまった。今後、政局まで発展する恐れもあるし、衆議院選挙で自民党大敗にまで発展する可能性も孕んでいる。
 オリパラ中止なんてことになれば収集がつかない事態も孕んでくる。新型コロナと並んでまさに国難である。

(文責:岩澤信千代)