🗓 2021年06月29日
会津藩士の廣澤安任が開いた牧場の跡地に建つ先人記念館を訪れた。安任は斗南藩の小参事であったが、廃藩置県後藩士はそれぞれ斗南に留まるもの別天地に活路を見出さんとするものがあったが安任は斗南の地にとどまり、外国人を招いて近代的な牧場の経営にあたった。松平容保が京都所司代時代、安任は公用人として各藩との折衝にあたった。
安任の人物を知る薩摩の大久保利通などが、中央政府の役人となり新国家建設のために働いてくれと懇願するもの多かったが「野において国家に尽くすと」近代的牧場の建設に邁進し、明治天皇が行幸するまでに成功をおさめた。
先人記念館で驚いた。筒井半蔵の銘が入った刀が展示されていたからである。私の高校の同級生筒井弘君の祖父の兄朝平が安任の兄安連(やすつら)家の婿養子になっていたからである。
この刀は朝平が廣澤家の本家筋に婿入りしたときに持参したものに間違いない。筒井家とハ戸廣澤家とは、長い間会津と青森で冠婚葬祭で行き来していたという。八戸廣澤家の刀が三沢の先人記念館に展示されていたのは歴史の証明に他ならない。また長谷川恵一の絵が展示されていたが、極寒の中、陸路会津を旅立った会津藩士の行列の絵は特に印象深い。
(文責:岩澤信千代)