🗓 2021年08月16日
いみじくも日本の終戦記念日である8月15日にアフガンの首都カブールはタリバンが制圧した。ガニ大統領は国外へ脱出し、政権が奪取されたことを自ら認めた。タリバンへの政権移譲が平和裏に行われると前政権の窓口になる幹部が述べている。それにしても米国軍の撤退表明からなんと速い展開であろうか。政府治安部隊のモラールの低さは以前から指摘されていたが、これほどあっけなく結末を迎えるとは誰が予想しただろうか。10兆円の巨費を投下し20年にわたる米軍駐留は何をもたらしたのか。これからバイデンとトランプのさや当てが泥沼状態になっていくだろう。今後ガニ大統領の権限移譲を受けた長老がカタールのドーハに向かいタリバンと政権移譲について話し合うという。新しい国名は「アフガにスタン・イスラム首長国」となるらしい。バイデンの論理からすると世界貿易センターを爆破した首謀者オサマ・ビン・ラデインを支援したタリバンをたたくという初期の目的は達成したとの理由で撤退するのだろうが、「世界の警察官」を自認したアメリカの現在の本当の姿を世界にさらけ出した。アフガン駐留はアメリカにとって経済合理性を満足させるものではなくなったということだ。損得勘定を考えてのバイデンの決断なのだろう。
それにしても、外国の国情はよく理解できないし、展開の早さにも我々日本人には理解できないことが多い。
ただただ、弱きアフガン国民の生活の安寧を願うばかりだ。
(文責:岩澤信千代)