🗓 2021年09月15日

自民党総裁選で細田・麻生・竹下・二階・石原派の5派閥が表向き自主投票となっている。

1990年代の政治改革により、政党交付金の配分や小選挙区導入制よる公認決定などの権限が派閥の領袖から党執行部とりわけ党幹事長に移った。それまでは「もち代」など称して盆暮に派閥の領袖から資金や組閣時のポスト配分などがあり、組閣時の大臣推薦などにおいて派閥領袖への忠誠心が判断の材料とされた。当選回数により大臣の推薦など派閥の領袖が推薦し、不適格な大臣が就任し、辞職を余儀なくされた議員が続出されたものだ。「ポストと金」がなくなった領袖は派閥の運営に困難を極めている。派閥が分裂し自身の発言力が弱くなるのが一番の恐怖である。

従って今回の真っ向勝負の総裁選で派内を締め付ければ自らの地位を脅かされるので動きが取れない。

しかしながら、人間は一人では何もできないので群れを作る習性がある。二人ならば問題は起きないが、3人寄れば文殊の知恵ではなく「群れ」ができる。

今回の注目点はそれぞれ40人以上抱える竹下・二階派の動向だと睨んでいる。竹下派は聞いたこともない参院議員に一任しているし、二階幹事長は老齢ながら政権に何らかの影響を残したいと思っているだろう。権力の蜜の味は十分すぎるほど知っている。この二つの派閥と17人前後をかかえる谷垣グループが台風の目になるだろう。最近の報道では谷垣Gは岸田推薦となった。

河野氏が石破氏に「総裁選当選後は挙党体制を作りたい。」とは、すなわち石破氏か派閥のメンバーにそれなりのポストを用意しますよと同義語である。河野は毒饅頭を食べてまで総裁になりたいのである。

単純に河野・石破両氏の世論調査支持率は合計40%から50%と圧倒的に強いが、さてさてこれから投票日までどんな化学反応が出てくることやら。有力3氏はワクチンを持っていない。田中角栄の時代のように、昔なら20億円あったら自民党総裁になれたのになあ。

今同じようにしたら「総理の椅子を金で買った」とこき下ろされるだろうし、立候補3氏にその資金力もないだろう。しかしポスト獲得には何がしかの金がかかるのが政治の世界でもある。最後はポストをちらつかせながらと金の勝負であろう。投票権を持っている議員はポストが空手形にならない候補者を一生懸命探すであろう。

(文責:岩澤信千代)