🗓 2023年03月08日
三菱重工が主導するH3ロケットがまたもや失敗してしまった。今までのロケットの半分の予算50億円で打ち上げられるというのが売りの開発だったが期待感は打ち破られた。誰もが三菱のジエット機MRJの開発中止が頭をよぎったろう。MRJ撤退の時に多くの技術者が三菱を去った。今回のことを踏まえると三菱の企業風土に原因があるのではと勘繰りたくなる。テレビの「下町ロケット」の町工場を応援した大手企業は三菱重工を彷彿とさせていたのだが。
東芝は世界に先駆けて半導体を開発した。ところがその半導体は思ったように売れなかった。それで韓国の半導体会社に特許を売り渡してしまった。その後、携帯が普及し東芝の開発した半導体は引く手あまたになり、韓国の半導体会社は大きく飛躍した。その後台湾の半導体組み立て会社が飛躍的に発展した。今では日本政府が台湾の会社に資金援助して九州に半導体工場を作ってもらうなど涙ぐましい努力を強いられている。
北朝鮮ではミサイルをバンバン飛ばし衛星を打ち上げるところまで技術開発を進めている。
いつから日本の製造業は衰退したのか、原因はどこにあったのか浅学の私には見当もつかない。三菱の4つの事業部門の内、宇宙・航空・防衛部門が6000億円の売り上げ計画を立てている。MRJ、H2ロケットの連続失敗で三菱の威信は大きく揺らいでいる。
その後新聞を読んでいたら今回の失敗で観測衛星「だいち3号」も失ったという。政府は23.24年度にH3を5機打ち上げを予定している。宇宙産業は1.2兆円の市場規模があるようだが米国のNASAの予算の10分の1で日本のJAXAは運営されている。イーロン・マスクのロケットは60億円。日本の宇宙産業はどこへさまようのか。
※その後の記事で失敗したロケットに搭載された通信衛星「だいち3号」は開発費280億円だったようだ。災害大国日本の緊急事態の時に活躍する予定であった。今動いている衛星は寿命が来ていて次の衛星が必要だという。今回の失敗で「だいち4号」の打ち上げがいつになるか全く予想されないことになった。由々しき問題である。
(文責:岩澤信千代)