🗓 2024年03月20日
野口英世は課外特待生として旧制会津中学に学んでいたが、同時期に、山口鹿三、君島八郎、宇川久衛、松江春次などがいた。山口は慶徳村(現喜多方市慶徳町)出身である。
松江春次は砂糖王(シュガーキング)と呼ばれ会津若松市長をやった人である。弟の豊寿は「バルトの楽園」の主人公である。君島八郎は東京帝国大学を出て九州帝大の工学部教授となった。私の母校会津高校の前身旧制会津中学校の第1回生であった。山口鹿三は喜多方生まれで向学心やみがたく会津中学にいたのは20歳の時である。山口は明治2年(1870年)7月16日、野口英世は明治9年(1876年)11月9日生まれであるから、7歳の年の差である。
英世と鹿三はともに若松栄町教会に通い、親しかった。鹿三は語学に堪能であり、英世は鹿三に教えてもらうことが多かった。詳しく知りたい人「医聖を育んだ人々」(小桧山六郎)をお読みください。
鹿三はカトリックの伝道師となり、キリスト教界で大変貢献している。著書も多い。ローマ法王に親書を書いたのは山口鹿三である。今では携帯があり便利になったが、人の繋がりの濃淡を比べれば、現在よりずーつと濃かった。
(文責:岩澤信千代)