🗓 2024年10月08日

最近経験した話である。会津では春・秋に戊辰戦争で亡くなった会津藩士の慰霊祭がある。阿弥陀寺と飯盛山で会津弔霊義会主催で開催される。今年は会長が所用があり、私が顕彰会を代表して玉串奉奠をした。その式典で会津会の幹事長と初めて名刺交換した。新島八重と京都會津会で親しくしていた奥田重栄(しげよし)とゆかりのある方かと尋ねたら孫だという。新島八重ゆかりの人に会えるとは想像もしていなかった。そして昭和3年の黒谷会津墓地で撮影した会津藩関係者の集合写真を頂いた。墓石の上に座っているのが祖父だという。10年前に上梓した拙書「不一」にその写真が載っていることまた参加者名が出ていることを伝え進呈することを約束した。と言っても2000部印刷したのだがすでに在庫はない。ネットで取り寄せた。ところが2週間たっても肝心の本が届かない。本屋に電話したところ、本が届かないならいったんキャンセルにしましょう。代金は返金しますということで決着した。一日待っても届かないので正式にキャンセルした。本屋から返金されたその日の午後本が届いた。慌てて本の代金を振り込んだ。郵便事情が土日配達でなくなったので状況は変わったらしい。今までは発注してから2.3日で届いていた。差し上げると言った手前他の本屋に念のため発注した。こちらは3日で届いた。はじめ買った本屋から返金されたお金をまた私の方から振り込んだ。儲かったのは郵便局と銀行のみでしたねと本屋にメールした。そんなことで時間を費やしていたが、今日何気なくアマゾンを見たらたったの1円で売られていた。すぐに発注した。送料込みで321円である。いやはや定価2000円のものが1円で買えるとは。知名度の低い作家の実力はこんなもんかと納得した。「八重の桜」放映時には16000円の値がついていたのになあと思った。

 今、その本に書いた山口県萩市の萩ガラスの近くに住んでいる方と連絡を取り合っている。10年以上も経っているのに拙書が話題になった。不思議なものだ。印刷したばかりの時に同志社大学や県立高校・図書館などに300冊程度気前よく謹呈した。こんなことになるなら在庫を残しておくんだったと猛省している。私の葬式の時に棺桶に入れるように女房に頼んである1冊だけは常に仏壇の前においてある。

(文責:岩澤信千代)