🗓 2025年01月06日
「玉木氏は昨年末に自身のXで、103万円の壁を国民民主の主張する178万円まで引き上げた場合の、政府・与党が言う『税収減の見込み額8兆円』という数値に疑義を投げかけました。予算案を閣議決定した際に提出した政府資料に基づいて試算すれば、ラインを123万円に引き上げた場合の減収額は6580億円だった。つまり178万円に引き上げても減収額は約2.4兆円だというのです」(シンクタンク研究員)(アサ芸)
そうなのである。財務省が出した減収の算出根拠は不明なのである。数字は前提条件を変えればコロコロ変わる。今の税金を考えて控除の減った分を計算すればの話だろう。国民に余裕ができて消費が増え、消費税が増えることなどみじんも計算していないだろう。経済は生き物である。どこかが減っても増えるものがわからなければ、全体の数字予想はできない。全国の首長は自分のところへ回ってくるべき地方交付税がなくなるとあまりにも心配する。自分が差配する自治体の予算に無駄を省けるものがないか予算部門に調査させるのが先決だろう。
もうすぐ3月だ。全国各地で予算を使い切るためにあちこちで工事が行われる。毎度おなじみの光景だ。予算を使わないと次年度に予算がカットされるから必死だ。ただ、その工事のために生計を立てている人もいるから必要な部分もある。雪で閉ざされた地方はそのような公共工事がないと建設会社は干上がる。そうすれば従業員に給料が払えない。すべて風が吹けば桶屋が儲かるセオリーが生きている。
問題なのは103万円の壁を取り払わなければわからないという現実だ。試算のように8兆円の減収になるとは思えない。国債は国民の借金であり、発行量が増えることは望ましくない。税収が増えるのが一番いいのはわかっている。日本は借金大国である。1世帯にあたりにすれば大金だ。日本国債の購入者が国内に多いので何とかやりくりしているだけだ。中国は安全保障上、海外の国債保有比率を下げてきた。戦争相手国に国債を握られるのは敵に借金しているのと同じだからだ。ロシア制裁を見て外国に借金することは危険と感じたからである。
日本の債務残高(1100兆円)はGDPの2倍を超えており、主要先進国の中で最も高い水準にあります。(財務省HP)
財務省HPのグラフを見ると一目瞭然だが先進国の中で対GDP比日本254%、米国123%、英国104%、ドイツ63%とずば抜けて高い。経済力は4位まで下がっているのに借金だけは一等国だ。円安になるはずだろう。日本のおもてなしずくしの旅館に日本人が泊まれなくなってしまう。会津の東山旅館の平均宿泊相場は長い間1万円がらみだった。そこが今や2~3万円だ。
通貨単位を変えれば借金が少なくなる手段を使うことも考えられる。額面100万の国債を1万にすれば返すのは1万円ですむ。お札を印刷するだけで借金の総額を減らせる。こんなことも考える総理大臣が出てくるかもしれないよ。その意味では国債の比率を下げようとする財務省の方向性は間違っていない。ただ人気取りで政治家はばらまき予算に与してしまうから問題なのだ。最近語呂合わせの予算案を聞かなくなったが日本国にそんな余裕がなくなったからだ。
(文責:岩澤信千代)