🗓 2021年08月15日
アフガニスタン第二の都市カンダハルがタリバンの手に落ちた。これで34州都の内19の州都が陥落した。タリバンは首都カブールまでは50kmのところまで進撃してきた。30万人という圧倒的な兵力を擁する政府軍治安部隊が首都カブールを明け渡すとは皆が予想していないが、いかんせん政府軍の戦闘意欲がない。戦乱を避けて首都に逃げ込んできた避難民が戦火の中に置かれ行き場を失う。イスラム原理主義という宗教が絡んでいる戦争は複雑だ。中東へ飛び火することもあり得る。アメリカの撤退により空白地域になった国を中国が虎視眈々と狙っている。タリバンの幹部バリダル師と王毅外相が天津で会談し絆を深めたという。日本の外相が中近東を訪問し、民主主義・平和主義を訴えるようであるが、日本には外交努力しかない。わずか27万人の自衛隊で国土は守れないのは自明の理である。中国や北朝鮮の兵力とは大差がある。
90%の石油を中東に依存する日本では、アフガンから中東のイスラム国に戦火が飛び火すれば、おのずとエネルギー政策の見直しを図らねばならない。
民主主義対独裁主義が過去の構図である共産主義と資本主義から替った。トランプ元大統領が嘯いている。「俺が恋しくなっただろう。」と。
職員が相当辞めており、部下の指導力に疑問が起こり、鳴り物入りで登場したハリス副大統領の不人気ぶりが喧伝されている。ハリス副大統領とあわせて、このアフガン撤退の決断により、民主党バイデン大統領の立場は批判の目にさらされるであろう。共和党のいい標的だ。
日本の今後のかじ取りは、いずれにしても困難の中を乗り切らねばならない。コロナ克服は最前提の問題であるが、国民のリーダーが菅首相でいいのかまもなく決断の時を迎える。
またしても、派閥主導の総裁選出になるのか、人物本位で国のリーダーを決めるのか、我々は注視・監視していかねばならない。次期衆院選の投票行動によってのみ意見が言えるのだ。
(文責:岩澤信千代)