🗓 2022年10月21日

保守党党首選挙で公約とした大型減税は英ポンド暴落と市場の洗礼(英通貨ポンド・国債の急落)に会い、3週間で政策を取り下げることになり、挙句の果ては支持率7%と急落した。保守党の身内から擁護の声は一切なく四面楚歌の中での退場となった。在任1か月半は病死したカニング首相の記録を抜いた。チャールズ国王に一週間に一度の政務報告に訪れた時に「また来たの?やれやれ。」と応じられた映像は気の毒であった。

後任の党首はコロナ下で飲酒パーティを開いていたスキャンダルまみれのジョンソン前首相の支持率が37%のトップだという。順当であれば党首選で激しく減税策を非難していた有力対抗馬スナク前財務相なのだろうが、インド系という理由ではなくその裕福さ故国民の支持が集まらないらしい。

しかし、トラスよ、悲観するなかれ。

あなたは歴史に名を残すだろう。エリザベス女王が亡くなる直前に首相任命を受けたということと在任最短記録保持者という快挙によって。但し、「エリザベス女王は死の数日前までに首相の任命式に臨み国事行為を行った。」とのナレーション付きで偉大な女王を称えるストーリーの中での端役の映像だろうが。しかし、国会答弁のみ堪能でも何もなしえないだろう日本の首相より世界史に燦然と輝くのは明白である。

トラスにはもう一つ「サッチャーにはなりえなかった3人目の女性首相」の称号もあった。

(文責:岩澤信千代)