🗓 2020年11月16日

今年の大相撲11月場所は2横綱が休場、大関は貴景勝のみ出場という寂しいものである。
 しかし、そんな中でも私は大相撲から目を離すことができない理由がある。何故か。それは福島市出身の大波3兄弟が活躍しているからだ。東北大震災後福島県は踏んだり蹴ったりの状況に置かれた。農産物の風評被害そして汚染水の海洋放出の懸念、どれもこれも国の結論が遅くやきもきした気持ちを県民の誰もが共有していることだろう。

その中で朝ドラの「エール」古関裕而と大相撲大波3兄弟は福島県の希望の星である。
 今場所は3男の若隆景が西の前頭1枚目で出場している。「結びの一番」といえばいつもならば横綱・大関がどっさり懸賞金を抱え込んで土俵を去っていくのをうらやましく見ている。今場所は初日に若隆景が結びでそのチャンスに巡り合った。しかし、星取表を見ると中日を迎えるというのに勝ちは不戦勝の一つだけである。それでも千秋楽までは横綱若隆景をイメージしてテレビ応援を続けていくつもりだ。若隆景は大波3兄弟の3男である。長男の若隆元、次男の若元春はまだ幕下である。大相撲は年功序列ではないのである。大関以下はその地位を陥落しても相撲を取り続けられる。私の好きな琴奨菊 は大関陥落後も相撲を取り続けた。優勝して大関になり美人の奥さんと結婚していい人生と喜んでいたが、残念ながら今場所で引退するかもしれないという。横綱はその地位を陥落したら「引退」の2文字の選択しかない厳しい勝負の世界である。そんな厳しい勝負の世界で荒汐部屋所属の3兄弟が福島県を元気づけてくれるのを期待している私なのである。
 今場所は勢いからすると貴景勝と照ノ富士に隙がないので、どちらかが優勝するのではと思っている。三役手前の前頭筆頭という地位は若隆景に相当なプレッシャーになっていると思うが今場所後半は奮起して次の場所つながるような素晴らしい取り組みを見せてほしい。

(文責:岩澤信千代)