🗓 2021年03月22日
2001年(平成13年)の中央省庁再編でできたのが総務省である。自治省・郵政省・総務庁が合併してできた巨大官庁である。閣僚名簿は内閣総理大臣の次である。ここの郵政部門が電波法の許認可権があるために高額接待事件を起こした。最近では 熊田 裕通副大臣の事務所スタッフの給付金詐欺事件までオマケがついている。
同じく厚生労働省は厚生省と労働省を統合して出来た予算規模最大の官庁である。過去に年金支給問題を起こし、今回のコロナ対策では後手に回っている。
特に田村大臣の記者会見は見るに堪えない。非常に危機迫る口調で話しているが、中身はたいしたことはない。ゆっくり落ち着いて話せば国民が安心するのに大変なことが迫っているように聞こえ、事の重大性が見えてこない。一方西村 康稔経済再生担当・新型コロナ対策担当大臣の方が記者会見を見ていると理路整然として話す内容も国民に分かりやすい。しかし、田村には巨大官僚組織がついているが西村には頼るべき官僚組織はない国務大臣である。大臣が逆であればとテレビの記者会見を見るといつも考えてしまうのは私だけだろうか。
いずれにしてもこの二つの官庁の再編は失敗であった。平成の行政改革で省庁の数を減らすことだけが目的化され、国民に対する目線がずれていた。コロナ対策ではPCR検査や入院の割り振りを保健所が担ったが命令系統がすっきりしていないために現場も大混乱し過重労働の根城になってしまった。保健所は保健所法に基づき設置され、厚労省の所管であるが、都道府県においては、国(厚生労働省)―都道府県(衛生主管部局)―保健所―市町村の体系で運営されているので、命令系統が国か自治体かで現場は大混乱してしまった。厚生労働省が指揮権の上位であるのが明白であるが、コロナ感染の実態は各地域によって違う。感染経路を追い続けるのは無理と方針も転換された。
厚労省も諮問委員会などを作って対策しているように見えるが、田村大臣の会見を見ていると、厚生労働省の果たしている役割が見えてこない。
20年がたち、この二つの官庁には金属疲労と利益誘導の悪弊がたまっている。再度分割し、国民の為に機能するよう組織改革する必要が出てきた。
(文責:岩澤信千代)