🗓 2021年04月10日

今日の和歌山県内の聖火リレーのニュースを見て私は大きな間違いに気づいた。森組織委前会長の女性蔑視発言やそれに続く芸能人の辞退問題が続く中で、芸能人の辞退行動にのみ賞賛していた大いなる勘違いに気づいたのである。

中平さんは東北大震災のあった2011年の5月に「台風」で最愛の家族5人を失った、中平さん自身は東京で勤務していたため災難を逃れたという。家族を失ってから故郷和歌山へ帰り、力強く生きている。走っている元気な姿は天国の父母や兄弟に届いたはずだ。

自治体が人選したランナーは必ずしも客寄せパンダみたいな芸能人だけではなかったのだ。中平さんの様に東北大震災で家族を失った人も多い。その人たちにも元気を届けてくれた。

また、1890年(明治23年)トルコの軍艦エルトゥールル号が遭難し500名の犠牲者を出した事件で地元の日本人が救助して、今もってトルコから感謝されている。そういう歴史のある串本市をトルコ人女性が走った。コメントに「言葉や肌の色が違っても・・・」というフレーズがあった。

600名が海に投げ出され、69名のみが生還できた大惨事であるが地元の人は、衣服やサツマイモ・卵など食料品などを提供し懸命な救援活動にあたった。オスマントルコ帝国の時代の話であるが現在のトルコ共和国の人々の多くがこの事件を知っていて、今でもトルコは大の親日国なのである。

オリンピック競技に必ずしも無くても良い聖火、ナチスドイツが国威高揚のために始めたものらしいが、ヒトラーのお陰で私たちは、その力強いランナーの懸命の走りで元気と勇気をもらうことができる。

県知事が躊躇していた島根県内も走ることになりそうだが、無事に国立競技場に聖火がともることを切に祈る。

ゆめゆめ新型コロナの制圧失敗により「中止」などと言う惨状は見たくないものだ。

(文責:岩澤信千代)