🗓 2023年10月19日
米国下院議長が決まらない。2回目の投票が行われたが、逆に造反者が20名から22名に増えた。このままでは下院の機能は停止状態になり、公務員の給料が払えずゴミだらけの国になりそうだ。11月末まで下院が予算に賛成しなければ米国は機能不全になる。
パレスチナ・ウクライナが戦争状態に陥ってる今、困ったものだ。共和党にはウクライナに武器援助することに否定的な議員も多い。武器・弾薬がなくなればウクライナはどうやってロシアと戦うのだ。そして、ウクライナへの支援に否定的なのはジョーダンだ。
地中海に派遣した米国の空母がハマス攻撃に加わったら、収拾がつかなくなる。ベトナム戦争・アフガン戦争に関与してわかったように米国は「世界の警察官」ではなくなった。ブルンバーグのニュースによるとアラブ諸国の指導者らは18日にヨルダンで予定されていたバイデン大統領との首脳会談をキャンセル。予測された通りで米国大統領の権威低下が明瞭になった。もはや米国大統領は「警察官」ではなくサーカスの「ピエロ」状態である。最悪イランの参戦まで危ぶまれる。米国対イランになれば核使用の恐れが一段と強くなる。
ところが今のところ、この混沌とした世界で米国しか頼るところがないのが実情だ。
米国の下院の予算攻防ではこれまではぎりぎりで共和党・民主党が妥協してきた。今回は政党同士の対決ではなく、それ以前の共和党の中での対決なのでややこしい。トランプの支持するジョーダンが当選しないのでトランプ元大統領の影響力が落ちてきているのが明らかにはなったが、アメリカのごみ問題ではなく世界の平和に多大な局面に入ったことを知らしめてくれる。
共和・民主党の双方の一部からは、マクヘンリー下院議長代行の権限を拡大する案が浮上しているという。他の人が立候補して騒ぎを終わらせる方法しかないのではないか。安倍派の塩谷方式か。マクヘンリー下院議長登場なるか。先に解任されたマッカーシー前下院議長が1月に選出された際には4日がかりで15回もの採決が行われたそうだから驚くに当たらない。明日も投票があるという。一日に何回も投票できるシステムだが、あきらめよ,冗談。
長い間、共和党VS民主党の戦いが議会で行われてきたが、今回は米国議会史上初めての下院議長が決まらないという珍事。世界が217の数字に注目している。下院の過半数が217である。
(文責:岩澤信千代