🗓 2025年03月07日
[ワシントン 6日 ロイター] – 米商務省が6日発表した1月の貿易赤字は、前月比34.0%増の1314億ドルと、過去最大となった。赤字の増加率は、2015年3月以来の大きさ。トランプ米政権による関税措置に対する懸念を背景に駆け込みで輸入が増えたことから、大幅に拡大したとみられる。
トランプのよく使う言葉は「メイク・グレート・アメリカ」である。就任後43日施政方針演説を議会で行った。共和党の議員はスタンドオベーション、野党の民主党議員はブーイング。アメリカの分断を象徴するような映像だった。トランプは就任早々「関税」を核ミサイルのようにぶっ放している。関税を上げるということは輸入品が高くなり、米国国民の生活を圧迫することにつながる。物価高に直結するのだ。ダイソ―で100円で買えたものが120円になるようなものだ。経済は生き物だ。国民がトランプを見切る原因になる。それは2年後に迫る中間選挙ではっきりする。
関税を上げることは確かに国民の雇用創出と税収アップにつながる。台湾の半導体企業が巨大な投資をしてアメリカに工場を作ると発表した。アメリカで生産してアメリカで売れば関税はかからない。しかし、経済はプラス・マイナスが表裏一体だ。トランプが良かれと思ってやってることが、アメリカの国民の消費物価を押し上げることにもつながる。生活苦を感じた米国民がいつまでトランプに狂信的でいられるか。
実際、上記のように駆け込み輸入が発生している。カナダやメキシコに対しては関税動時期は延期延期だ。同盟国日本に対してはどうするのか。石破茂は戦々恐々としている。おそらく例外なく日本に対しても同様の措置を取るだろう。日本は防衛も経済でも戦後長い間米国の庇護の下にあった。自動車を輸出しすぎて貿易摩擦に何度もなった。米国産米を買え、牛肉を買えと圧力を受けた。農産物に対して弱小農家保護を名目にアメリカの要求を退けてきた歴史がある。世の中は変わり、日本国内でコシヒカリを買うより、アメリカで買った方が安いという珍現象も起きている。
ウクライナのゼレンスキーはトランプに歩み寄り、和平協議の再開も視野に入っている。英仏の首脳も同席するようだ。欧州が一致してウクライナ支援をしようとしても武器弾薬ともアメリカの支援なしでは調達できない。アメリカが巨額の援助をしているというが、実際は自国の防衛産業に金を支払っているのだ。すなわち援助した金額のほとんどが自国の企業を潤ませている。戦争終結は自国の「死の商人」の売り上げが減るということになる。いずれにしても世界一の経済大国という剣を持った大統領に振り回される日数が続く。ここで牧伸二が登場だ。「あーあぁ、やんになっちゃうよ。」
ご参考:【ワシントン共同】米メディアは4日のトランプ大統領の施政方針演説をファクトチェックした。AP通信は「多くの虚偽や誤解を招く情報が含まれていた」と批判。トランプ氏は関税措置について、製造業が国内回帰し「米国は再び豊かになる」と正当化したが、経済学者は物価を押し上げ、経済の成長を阻害する可能性を指摘している。
(文責:岩澤信千代)