🗓 2025年03月06日

今度は西友が九州の格安スーパーの傘下に入った。カートに入れると買い物代金が計算されるのを会津のヨークベニマルで見て驚いたことがあるがこの会社はそれをいち早く取り入れたらしい。レジ係がいらないので人件費節約になる。西友は関東圏と中部地区に店舗があるので重複店舗がなく600店のの規模が享受できる。理想的な合併ともいえる。地方のスーパーが西部流通グループのスーパーを買収するなど昔は考えられなかった。3800億円だという。

 またテレビでアメリカやタイなどでは日本産米5kgが3000円そそこそこで売られているからくりを放送していた。販路の拡大を奨励するために国は1反当り4万円を生産者に補助しているという。その奨励金をもらうために輸出先を決定してしまっているという。だから米が高くなったからと言って国内市場に振り向けられないのだ。

 農林省はバカな政策を連発してきた。乳牛乳・食用牛もそうだ。一時牛を生育すれば補助金がもらえた。ところが牛乳が過多になると牛一頭を処分すれば15万円の補助金を出した。牛を育てるために生産農家は牛舎など借金をして設備投資をした。成牛になれば高く売って返済に充てる計算だったが、殺処分しろとは手のひらを返し往復びんたを食らったも同然だ。かくして酪農農家は減った。

 今度は米である。他国の消費者が安く買えるために補助金を出し、自国民が令和の米騒動の渦中にいる。農林省に入る官僚も2流、農林大臣になるのも政治家の2流の人たち。大体において議員生活が長く入閣待機組の中から農林大臣が指名される。リーダーシップの発揮できる大臣はこのかた見たこともない。

 2流官庁に位置づけられる農林省の後手後手の対策は日本の名物・珍現象だ。おそらく21万トンの備蓄米放出も水道の蛇口に流しこむようなものだろう。21万トンという量の問題と入札までの期間が長すぎる。市場に出回るのは3月下旬だ。

 これでは儲けようとたくらんで仕込んだ業者は様子見を決め込んで市場に米を出さないであろう。法律で定める1年以内に米を買い戻さないこともありえると農林相は言ったが、ほとんどマーケットには響いていない。買い込んだ業者は夏ころの天候を気にしているだろう。今年の生産量が少ないようならもっと儲かるとますます抱え込む。狐とタヌキのバカ試合だが、その一方が農林省だからあてにできないのだ。

(文責:岩澤信千代)