🗓 2019年09月04日

「もも」の得意技(へび狩り)

 

「新聞を眺めるもも」

ある日、寝ぼけまなこで寝室を出ると仏壇の前で黒いものが見えた。何だろうと目を凝らすと動き出した。「へび」がとぐろをまいていたのである。この時は、マジックハンドで捕まえ、外に逃がしてやった。
二度目は、玄関である。動き出していたので追いかけたが、家具の隙間に入り、捕ることができない。元来、蛇の苦手な私は、近所の4歳上のクニオ君に助けをもとめた。クニオ君は難なく隙間から蛇を取り出し、外へ開放した。お礼に何かないかと探し当て日本酒の4合瓶を差し上げた。その時クニオ君は、力なく答えた。
「俺は酒飲めないんだよ。」とそれなら誰かに差し上げてと無理やり渡したのだが、数か月後にクニオ君は亡くなった。4歳しか違わないのに何故?すい臓がんだった。余命何か月と言われていたのにわざわざ私の頼みを聞いてくれた。

そもそも家に蛇を連れ込んだのは、愛ネコ「もも」である。スズメやモグラなどなんでも家に運んでくる。食べないのだが、家人に見せるため、すなわち手柄を見せに家に運んでくる。モグラなど茶箪笥の隙間に入ったのを捕まえて逃がしてやった事も数度ある。そして、蛇も小さいものばかり、大きいのは捕まえてこない。小便もあちこち所かまわずやる。メスなんだからおしとやかにしろと言いたい。言ってもどこ吹く風だろうし。

こんな「もも」でも今夏の暑さにこたえ、家の中で一番涼しいところでゴロゴロしている時間が長くなった。(猫は涼しいところ、暑いところを知っているのは間違いない)友人から引き取った時に10歳くらい、それから12年、猫の20歳は人間にすれば相当な老齢。

今夏は妻が、「もも」がおいしそうに食べるので鮭などの焼き魚の食べ残りを1か月くらい与え続けたところ、激やせした。猫は発汗ができないので塩辛いものを与えてはいけないことを妻も知っていたのだが、あまりにもおいしそうに食べるので、与えてしまったのである。獣医に連れていくか悩んでいたところ、HP制作に携わっていた暢子さんが15歳以上用の猫の餌を持ってきてくれた。それを与えたら食欲が出てきて少しずつ体力が回復し、足取りも軽くなった。
それ以降、猫の餌をスーパーで私が買うことになり、「もも」の為我が家のエンゲル係数もかなり跳ね上がった。
「もも」は今となっては、蛇を捕まえることも雀を捕まえることはない。大好きな散歩に出ても数分で帰ってくることが多くなった。

短時間で「もも」の話を掲載した。これには訳がある。昨日、友人が心臓のカテーテル手術を受けた。術後の経過も良好という。良好ということは、暇な時間を病室で過ごしているということである。かくなる理由で、「もも」の面倒を押し付けた張本人に「八重顕彰会」の「編集雑記」のアドレスを教えたのであった。

(文責:岩澤信千代)