🗓 2022年06月01日
北海道の札幌勤務中は家族旅行に精を出していた。高速道路を走っていた時のことである。工事か渋滞か忘れたが車を停車した後、キーンとすごい音が聞こえたので後ろを振り向いた。後ろの車を見たら女性二人が顔面蒼白でガードレールに衝突するところだった。ガシャの音がした後、二人の女性は大声をあげて笑った。それはそうだ。地獄へ直行するかという局面から無事だったのだから。シートベルトをしていたので二人とも笑えたのである。
ハンドルを左に切らないで私の車に直撃したら我々家族も無傷ではいられなかった。後部座席には小学生の私の子供二人が乗っていた。危険な目に合うとスローモーションで見えるという。まさにキーンと音を聞いた時からスローモーションのようにはっきり見えた。二人の女性は「助かった。」という気持ちで笑ったのだろうが、人生にはままこういうことがある。悲劇で涙を流すのだが笑ってしまうことがある。本人には悲劇でもそばで見ていると笑いたくなることや、失敗して照れ笑いすることもある。
今日隣人が来てコーヒーを飲んでいたら、知人に実際にあった話を持ち出してきた。知人が浮気をして、かっこいいところを見せたいということで高級旅館にとまったらしい。宿帳には本名と妻の名前と住所を書いたらしい。
後日、その旅館から礼状が届いたらしい。「先日は当館を奥様とご利用いただきありがとうございます。またのご利用をお待ち申しげます。」それも封書でなくハガキで届いたらしい。そのハガキを見た身に覚えのない女房は怒り狂ったらしい。隣人がいうには火遊びがばれるような高級旅館に泊まるのが悪い。旅館の方もハガキで礼状を出すのは確認すべきだった。
その後どうなったかと隣人に聞いたら離婚したという話は聞いていないという。
人生、悲劇と喜劇はいつでも隣りあわせだということを肝に銘じなければならない。
(文責:岩澤信千代)