🗓 2025年06月23日
自転車事故にあい、昨年の顕彰祭で予定の講演がキャンセルになったのは残念でした。
機会があれば顕彰祭でも再度講演を依頼する予定です。
来年は長谷川純一氏の「会津伝統野菜」の講演と空野大の訛り歌のライブを考えています。
若林悠さんの新刊


『*幕末<暗号>解読記: 国周の風刺画「善悪鬼人鏡」が明らかにする「江戸の情報知」*』
「若林悠さんからの本の紹介文(PDF)」全文はPDFでご覧ください。
以下、一部ご紹介します。
新島八重顕彰会の皆様、こんにちは。
会員の若林悠という者です。
私は風刺画研究を仕事にしているのですが、江戸で出された非常に面白い風刺浮世絵がありますので、岩澤さんに頼んで紹介させていただきます。
(来月出す本の宣伝です)
「明治三大絵師」の一人で「役者絵の国周」と称えられた豊原国周が、慶応四年(=明治一年)に描いた「善悪鬼人鏡」という44枚のシリーズがあります。
一見、普通の役者絵にしか見えないこのシリーズは、戊辰戦争の風刺画なのです。
幕末関係書は世に溢れていますが、すべては武士の行動を追ったものであり、圧倒的多数をしめる一般庶民が本当は何を考えていたのかは、現代人のほとんど誰も知らないでしょう。
庶民が武士の行動に口を挟むことは許されないので、彼らは文章では何も書かなかったからです。
ですが、文章の代わりに絵を使い、武士の知らない庶民専用の暗号を開発して、極めて具体的な政治批判を展開していました。
固有名詞は絶対に出しません。
代わりに登場人物の着物に家紋(定紋)や替紋や地方名産品などを描き、その人物が誰なのか、どの藩の話をしているのかを読み手に教えます。
そして、役者が演じている役柄と考え合わせれば、その藩についての江戸っ子の評価が分かるのです。