🗓 2024年02月26日
タイトルは尊敬する池上彰氏が週刊文春2月29日号に載せたものである。原発から出た使用済み核燃料の処分問題である。青森県六ケ所村に日本原燃建設中の処理工場は31年経過後も完成していない。フィンランドなどでは岩盤の強い岩を掘りトンネルに埋め込んで数十万年に渡り放射能を閉じ込める施策を行っている。映像でも見た人はいるでしょう。日本は未だトイレなき状態で汚物をどこに流し込むのかはっきりしていない。人間に危険でなくなるのは10万年かかるらしい。うちに埋めていいという自治体はほとんど現れない。それで国は飴玉を用意した。文献調査(20億円)概要調査(70億円)。カッコ内は交付金である。少子化で人口減・税収不足に苦しむ自治体ではこの交付金は魅力的だ。以下対馬での話である。住民がどういう判断をするか。
長崎県対馬市長選が25日に告示され、新顔の飲食店経営・荒巻靖彦氏(59)と、3選をめざす現職の比田勝尚喜氏(69)の2人が、いずれも無所属で立候補を届け出た。対馬では昨年、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を誘致する動きが起き、選挙戦でも争点の一つとなる。投開票日は3月3日。(朝日新聞デジタル)
日本は津波・地震の多い国である。地下に頑丈に埋め込んでも、天地地変にあえば使用済み核燃料が抉り出されるかわからない。一時の金に目がくらんで地域が放射能汚染になれば子孫に申し訳が立たない。原発はCO2の排出もなく大量の電気を供給できる優れものである。ただし福島原発のように制御不可能となれば甚大な被害を与える。東北大震災の時に大熊町民が会津若松に避難していたが何とも言えない苦労を知った。親しくしていた教育委員会の先生は大熊への帰還をあきらめて郡山に永住すると決めた。その先生に依頼されて避難していた大熊中学校で「新島八重」の講演をしたことがある。その1週間後に綾瀬はるかが大熊中学校を激励に訪れた。講演に行ったときに校長先生から綾瀬はるかの訪問を聞いたので、「不一・・・新島八重の遺したもの」を綾瀬はるかに渡していただくようお願いした。その校長先生は大熊町への帰還をあきらめ会津若松に終の棲家を購入した。原発事故は故郷を失わしめ近所の人たちとのコミュニケーションを奪った。
原発事故は天災と人災が複雑に絡み合っている。何故海水をすみやかに注入しなかったのか。東電はその時は原発を失いたくなかったのだ。海水を注入すれば電気系統などダメになり、もはや原発の稼働など出来なくなる。だが水素爆発は防げただろう。吉田所長の悲鳴にも似た本社とのやり取りは、ドラマにもなった。防波堤を15mの高さにしておけば津波による電源喪失は免れたかもしれない。経営陣は予測不可能だったとして無罪判決となった。こんな理不尽があるのか。
このトイレについては国家として逃げては通れない解決すべき問題である。また、太陽光発電のパネルの処理も同様だ。焼却出来ないからどこかに捨てなければならない。
国会ではやるべきことがたくさんあるのに政治家の私利私欲(キックバック)の後始末するために空転を続けている。
(文責:岩澤信千代)