2025年04月26日
政府が先月に2回の入札で放出した備蓄米の約94%を落札したJA全農は25日、そのうち24%の4.7万トンを卸売業者に出荷済みだと発表した。1日あたり2千~3千トンのペースで運んでおり、「流通はスムーズになった」と主張している。
備蓄米は、全農などの集荷業者を介して卸売業者に渡り、精米されて各地のスーパーなどの小売店や飲食店に届けられる。
農林水産省が18日に初めて公表した備蓄米の流通先調査では、3月10~12日の初回の入札で出した14.2万トンのうち、同月30日までに卸売業者に渡ったのは1.9%の2761トンで、その先の小売店に届いたのは0.3%の426トンだけだった。農水省は「初動のためトラックの手配や精米などの作業の調整に時間がかかった」と説明していた。(朝日新聞)
一方で商社などが大量に米国産などの米を輸入している。米国産のカルロ―スは若干パサパサしているが、国産米と比べて味の違いは分からないという。今回の米騒動の結末は国内産米の価値低下。米農家の壊滅につながるものだ。農家にとっては肥料の高騰、トラクターなど機械への投資が重荷になってきた。農林省の減反政策にも翻弄されて経営は苦しい。
そこへきて消費者の国内産米離れが起きては致命的になる。日本の食料自給率は低い。エビなどはほとんどが輸入だ。サバもノルウエー産など魚介類もほとんどが輸入に頼っている。かろうじて主食の米だけが自給率が高かった。外食チエーン店などが外国産米を使っていて、輸入業者は大量に外食産業に納入しているという。このまま農林省に任せておけば早晩日本の米農家は壊滅状態になるだろう。この前テレビでやっていたが農家は米だけで食っていけないので野菜を作っていいる。朝早く収穫して包装して出荷するまでの作業が終わるのが深夜になるという。それで時給10円というのがデモのプラカードに出てくるわけだ。
令和の米騒動は日本の米の命運がかかる出来事なのである。
(文責:岩澤信千代)